CPUとマザーボードはセットで選ぶのが基本です。
使用するマザーボードによって対応するCPUが異なるため、一方を先に選ぶと他方もそれに合わせる必要があります。
ここでは、CPU選びのポイントを詳しく紹介します。
CPU選びの3つのポイント
1.用途とスペックのマッチング
CPU選びで最も重要なのは、使用目的に応じたスペックを選ぶことです。
ネットサーフィンや動画視聴が主な用途であれば中級モデルのCPUで十分です。
4K動画編集や3Dゲームを楽しむなら、ハイエンドCPUが必要です。
2.グレードと世代の確認
インテルやAMDのCPUは、型番に続く数字が大きいほど高性能です。
また、CPUは技術進歩が速いため、最新の世代ほど性能が向上しています。
1~2世代前のモデルでも性能に大きな差はありませんが、3~4世代前のモデルは避けたほうが良いでしょう。
3.コア数とスレッド数
「コア」はCPUの演算処理部分で、コア数が多いほど同時に多くの処理が可能です。
コア数が多いほど複雑な処理を同時にこなすことができ、4K動画編集やエンコード作業などに適しています。
サフィックス(末尾の英字)の確認
CPUのモデル名の末尾には英字が付いていることがあり、これをサフィックスと呼びます。
サフィックスはCPUの特性を示しており、選ぶ際の重要なポイントです。
インテル製CPUのサフィックス
- 「無印」:通常モデル
- 「F」:GPU非搭載モデル(ビデオカードが必要)
- 「K」:オーバークロック対応モデル
- 「KF」:GPU非搭載のオーバークロック対応モデル
- 「X」「XE」:クリエイター向け多コアモデル
- 「H」:ノートPC向け高性能モデル
- 「U」:ノートPC向け超低消費電力モデル
用途別のCPU選び
ゲーミングPC
- 最高画質&FPS
- CPU:「Core i9 10900KF」or「Ryzen 9 3900X」
- ビデオカード:「GeForce RTX 3080」or「Radeon RX 6800 XT」
- メモリ:16~32GB
- ストレージ:SSD 1TB以上
- マザーボード:「インテル Z490」or「AMD X570」
- 電源ユニット:750W以上
- 高画質・高FPS
- CPU:「Core i7 10700KF」or「Ryzen 7 3800XT」
- ビデオカード:「GeForce RTX 3070」or「Radeon RX 6800」
- メモリ:16~32GB
- ストレージ:SSD 1TB以上
- マザーボード:「インテル Z490」or「AMD B550」
- 電源ユニット:650W以上
- フルHD画質
- CPU:「Core i5 10400F」or「Ryzen 5 3500」
- ビデオカード:「GeForce RTX 2060 SUPER」or「Radeon RX 5700」
- メモリ:8~16GB
- ストレージ:SSD 1TB以上
- マザーボード:「インテル H470」or「AMD B450」
- 電源ユニット:650W以上
ビジネス用PC
- 複数のオフィスソフトを併用
- CPU:「Core i5 10400」or「Ryzen 5 3500G」
- ビデオカード:なし(内蔵GPU)
- メモリ:8~16GB
- ストレージ:SSD 256GB以上
- マザーボード:「インテル Q470」or「AMD B350」
- 電源ユニット:400W以上
- 軽めのオフィス作業
- CPU:「Core i3 10100」or「Ryzen 3 3200G」
- ビデオカード:なし(内蔵GPU)
- メモリ:8GB
- ストレージ:SSD 256GB以上
- マザーボード:「インテル H470」or「AMD B350」
- 電源ユニット:300W以上
動画編集用PC
- 4K動画編集
- CPU:「Core i9 10980XE」or「Ryzen 9 5950X」
- ビデオカード:「GeForce RTX 3070」or「Radeon RX 6800」
- メモリ:32~64GB
- ストレージ:SSD 2TB以上
- マザーボード:「インテル X299」or「AMD X570」
- 電源ユニット:1,000W以上
- フルHD動画編集
- CPU:「Core i7 10700K」or「Ryzen 7 3800XT」
- ビデオカード:「GeForce GTX 1660 SUPER」or「RX 5600 XT」
- メモリ:16~32GB
- ストレージ:SSD 2TB以上
- マザーボード:「インテル Z490」or「AMD B550」
- 電源ユニット:500W以上
プライベート用PC
- ネットサーフィンや動画視聴
- CPU:「Core i3 10100」or「Ryzen 3 3200G」
- ビデオカード:なし(内蔵GPU)
- メモリ:8GB
- ストレージ:SSD 256GB以上
- マザーボード:「インテル H410」or「AMD B350」
- 電源ユニット:300W以上
- 将来的に3Dゲームや動画編集
- CPU:「Core i5 10400」or「Ryzen 5 3400G」
- ビデオカード:なし(内蔵GPU)
- メモリ:8~16GB
- ストレージ:SSD 1TB以上
- マザーボード:「インテル H470」or「AMD B450」
- 電源ユニット:500W以上
CPUの役割と技術進化
CPUはパソコンの中枢を担うパーツで、データの演算・加工を行い、他のパーツへ指示を出します。
近年のCPUはマルチコアやマルチスレッディング技術により、性能が大幅に向上しています。
複数のコアを搭載し、1つのコアを擬似的に2つのコアとして動作させることで、より高い処理能力を実現しています。
主なCPUメーカーとラインアップ
- インテル
- Xeon:業務用モデルで最大56コア/112スレッド。
- Core i9:最上位モデルで最大16コア/24スレッド。
- Core i7:上位モデルで最大12コア/20スレッド。
- Core i5:中位モデルで最大10コア/16スレッド。
- Core i3:下位モデルで最大4コア/8スレッド。
- Pentium / Celeron:廉価モデルで最大4コア/4スレッド。
- AMD
- Ryzen Threadripper:超ハイエンドモデルで最大64コア/128スレッド。
- Ryzen 9:最上位モデルで最大16コア/32スレッド。
- Ryzen 7:上位モデルで最大8コア/16スレッド。
- Ryzen 5:中位モデルで最大6コア/12スレッド。
- Ryzen 3:下位モデルで最大4コア/4スレッド。
インテルはデスクトップPCやノートPC向けに幅広いラインアップを展開しており、初心者からプロまで対応しています。
AMDは「Ryzen」シリーズで高性能かつコストパフォーマンスに優れたCPUを提供し、自作PCユーザーを中心に人気を博しています。
マザーボードとCPUの選び方のまとめ
CPUの選び方は用途に応じて慎重に行う必要があります。
性能とコストのバランスを考え、自分のニーズに合ったCPUを選ぶことで、快適なパソコン環境を構築することができます。
最後までお読みいただきありがとうございました!